エメラルド・エンゲージ〜罪の葉陰〜
(アラキさん、私がアラキさんの家族と関わりたくないんだって誤解してる?私に失望した……?)
だったらどうにか誤解を解きたい。
今日は無理だけど、帰ったら旦那様に相談してみる……って、言ってみようか。
でも、そんな相談を私がしたら、ハルヒコ様は何て思うだろう……。
私がぐるぐると悩んでいるのを察したらしく、アラキさんは「気にすんなって」と苦笑した。
「じゃあさ、持病の話とは関係なしに、うちの天使ちゃんを紹介させてくんないか?」
「紹介?」
「そー。うちすぐそこだからさ、ちょっと寄って娘に会ってってくれよ」
「あ……でも私、待ち合わせをしてて」
「ちょっとでいいからさ。俺の娘ってことは、リイナには妹みたいなもんだろ?」
なっ?とアラキさんがタバコを捨てて立ち上がる。
私はちらりと公園の時計を見る。
ハルヒコ様との約束の時間には、まだ少し余裕があった。
これ以上アラキさんをガッカリさせたくないし、すぐそこの家でちょっと娘さんの顔を見て来るくらい大丈夫だよね……?
「……じゃあ、会うだけでいいなら、会いに行こうかな」
「そうこなくっちゃ」
ベンチから立ち上がった私の肩を、アラキさんは笑顔でしっかりと抱き寄せた。
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