エメラルド・エンゲージ〜罪の葉陰〜
くらっ、と本当にめまいを感じて、私は壁に手をつき身体を支えた。
……ダメだ、こんなことでは。
ねえさんのことなんか、もう考えても仕方ないじゃない。
死んでしまったならそれまでだ。
今さらどうしようもない。
そんなことに気を取られていないで、しっかりしなきゃ。
ねえさんのことも、アラキさんのことも、『花の庭』のことも、もうすべて忘れるんだ。
ハルヒコ様の<グリーン>として務めを果たす、それだけを考えるんだ……。
その日は結局、部屋に戻っても何も手につかなかった。
ハルヒコ様は外出中でお茶の時間には帰って来ず、
ルイさんと二人で気づまりな思いをしながら食べたレモンタルトは、あまり味を感じられなかった。
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