溺愛〜ラビリンス〜

「分かった。じゃあ明日はしょうが焼きにしようかな?どう?」


柚はそんな大雑把なリクエストを気にせず話しを続けている。


「柚の作るものは何でも旨いから任せる。」


翔真さんが凄い笑顔で柚に答えた。柚の前だと結構笑顔なんだ…余り笑わないイメージだけど。
それにしても本当に仲が良いな…私にはこんなお兄さんいないからうらやましい…
そう思っていると、有希も同じ事を思ったのかポツリと呟く。


「良いな…」


やっぱりこの二人を見ているとそう思うよね…



お弁当を食べ終わると、健人さんが心配そうに聞いてくる。


「ユズ姫どうだ?何とか大丈夫そうか?」


教室の中…というか白王子の事を聞いているんだろう。柚はそれまで笑顔が消えてしまった。


「…うん大丈夫。」


「そっか…無理すんなよ?」


その場にいる全員が、柚が無理して大丈夫って言ったのを分かっていた。でもみんな何も言わないで黙って柚が頑張るのを見守っているようだった。



少しすると予鈴が聞こえてきた。


「そろそろ行こうか?」


私が言うと柚はコクリと頷き、有希もお弁当を片付けて準備をした。




< 261 / 671 >

この作品をシェア

pagetop