溺愛〜ラビリンス〜
「じゃあ行こう…」
翔真さんが椅子から立ち上がって言った。
「「えっ?」」
私と有希の声が重なる。 翔真さんが教室まで送って行く気なの?私と有希は少し引き吊った顔で柚の方を見ていた。
「柚…翔真さんが教室まで行くの?」
まさかキングが教室まで一緒なんて事ないよね?不安になり恐る恐る聞いてみる。
「えっと…翔兄ぃがあぁ言う風に言ったからそうだと思うよ?」
私達の不安を他所に、柚は気にする様子もなくケロッと答えた。そんなあっさり言わないで…私は頬が引きつるのが自分で分かった。
「行くぞ?」
私達がグズグズしている間に翔真さんはスタスタ歩き出していた。
「はーい」
柚は元気良く返事をして着いて行く。私と有希も仕方なく、慌ててその後に続く…
廊下に出るとみんなの視線が刺さる様に痛い…キングが付き添い、姫とその他二人が廊下を歩く…それがみんなの興味を引いているんだろうけど…耐えられないわ。
歩くスピードが自然と速くなる。
何とか教室付近まで来ると、ブラックホークスの警護のメンバーが教室から数人出て来た。