溺愛〜ラビリンス〜
今の柚には精一杯なんだろう…それでも真摯に向き合おうとしている。いつの間にか強くなったんだな…嬉しいような寂しいような、安心したような…複雑な気分だ。
「…分かったよ。俺は柚が小さい頃からずっと待ってたんだ。後少し位待つよ。だから焦らなくて良い。」
「うん!翔兄ぃ?」
「あ?」
「私が返事する時はこの観覧車に乗ってここでしたいな…」
外の景色を見ながら柚が呟く。
「…また来ようってさっき言っただろ?いつでも良いぞ?それに…柚がそうしたいなら返事はここで良い。」
「ありがとう。ねぇ翔兄ぃ折角、観覧車乗ったんだから景色楽しもうよ?」
柚が話しを切り替えた。
「そうだな。」
柚は硝子に貼り付いて景色を眺める。
「うわー結構高くまで昇ったよ?見て見て?」
はしゃぐ柚に促され覗きこむと、頂上まで後少しという所まで来ていた。
「アッ渉くん達だ!あんな小さく見える。」
柚が指指す辺りを見ると、渉達がいてこちらを見上げている。
さすがに誰も観覧車には乗らなかったようだ。男同士で観覧車に乗る勇気はなかったか…