溺愛〜ラビリンス〜

フッと笑えば柚が不思議そうに聞く。


「どうしたの?」


「イヤ、何でもない…」


下では俺達が下を見ている事に、渉達が気づいたようで指を指している。


「柚。」


名前を呼ぶと何?と言ってこちらを向いた柚の頬にチュッとキスをした。


「しょ、翔兄ぃ!」


柚は驚いてキスをされた頬を手で押さえて真っ赤な顔をして俺を睨みつけた。


「小さい頃からよくしただろ?」


俺が平然とした顔で言うと柚は頬を膨らませた。

「小さい頃の事でしょ!」


確かに最近、柚にキスした事はなかった。当然と言えば当然だが、年頃の兄妹がキスをする事は普通ないから、俺達も小さい頃と違いしなくなった。


「嫌だったか?」


俺が不安になり聞くと、柚は困った顔をした。


「…嫌じゃないけど…恥ずかしいの!」


そう言うと顔を背けた。

「フッ…」


嫌じゃないって言われホッとして、嬉しくなって笑みが溢れる。


「翔兄ぃ?私が怒ってるのに何笑ってるの!もう…」


柚はむくれているがその顔も可愛い。




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