溺愛〜ラビリンス〜

「何でもない……」


少しむくれた口調で返事をした。


私がそう言うとまた助手席から吹き出した笑いが聞こえてきた。


「ブッ!アハハ……」


「ちょっ、龍也さん!まずいですよ。」


森さんが私に気を使って龍也くんを止める。


「あぁ、だけど…こんな悠斗見る事もそうそうないし、悠斗にこんな事言える女も柚ちゃん以外いないから……見てて嬉しいし楽しいよ。」


「チッ!」


助手席に視線を向けていると、隣から舌打ちが聞こえてきたから振り返ると、ゆうくんが眉間に皺を寄せて憮然としている。


「ゆうくん…どうしたの?」


「何でもねぇ…」


「ごめん悠斗。もう黙ってるから。」


「お前いつも喋んない癖に喋り過ぎだ。大輝かと思う位だ……これ以上うるせぇと車から降ろすぞ?」


「ハハハ…分かった。ずっと我慢してる悠斗を見てきたから、その悠斗が柚ちゃんと一緒にいる所見てるとなんかテンション上がっちゃってさ……柚ちゃんもごめんね?」


「うん…」




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