溺愛〜ラビリンス〜

「ずっと少し離れた所から警護してたんだけど気付かなかった?」


面白そうな表情をして聞いてくる龍也くんに首を縦に振ると、答えが分かっていたようにニヤリと笑った。


「気付かれないようにしてたんだからそれで良いんだよ。気付かれてたら、俺の警護がまだまだって事だから。」


龍也くんは少し嬉しそうに言った。


「柚行くぞ?」


そんな会話をゆうくんが声をかけてきて遮る。


「うん。」


ゆうくんに促され車に乗る。森さんと龍也くんも前の座席にそれぞれ座った。


「森頼む。」


「はい。」


ゆうくんが声をかけると森さんはそれだけで分かったようで、何も聞かず発進した。


車は水族館を後にして少し走ると、坂道を登り出した。登り坂をどんどん進み小高い丘に出た。


「ゆうくん?」


車が停まったのは小さな駐車場だった。この駐車場は丘を散策する人の為のもので、綺麗に整備されていて見晴らしも良いから人気のスポットになっている。でも夕暮れ時の今の時間は、穴場なのか私達の車の他は2台しか停まっていなかった。





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