溺愛〜ラビリンス〜
渉くんの笑顔に少し見惚れてしまっていると、
「ねぇ…そんな所を翔真が目覚めて見たら大変だぞ?」
爽くんの言葉に我に返る。そう…まだ私は渉くんに抱きしめられていたのだ。
「アッ…ごめんなさい。」
私は慌てて渉くんから離れた。顔が赤くなっているのが自分で分かる。
「柚ちゃん大丈夫だよ。もし今翔真が目覚めて俺達の事を見て怒ったら、全部俺が翔真の怒りを受けるから…って言うか、翔真は何があっても、柚ちゃんの事を怒るなんてしないよ…安心して?」
渉くんは諭すような口調でそう言ってくれた。それは今の事だけじゃなく、きっとゆうくんとの事も含めて言ってくれているんだって分かる。
「…」
渉くんの気使いは嬉しいけど、そんな簡単に許してくれるような事ではない。私は何て返事をして良いのか分からず、黙りこんでしまった。
「…ユズユズ?」
心配そうに爽くんが声をかけてくる。
私はこれ以上二人に気を使わせたくなくて、無理に笑顔を作った。
「ありがとう…二人とも…私は大丈夫だから。」
明らかに私の言葉は嘘だと思ったみたいで、二人は困ったような、心配そうな表情で私を見ている。