溺愛〜ラビリンス〜

「あーあ、早く目を覚ませよ翔真!」


硝子に貼り付いて爽くんが叫ぶと、大きな声が廊下に響き渡る。


「おい!爽煩い、静かにしろ。」


渉くんが静かな怒りを込めて爽くんを睨みつけ、爽くんの頭に軽く拳骨をした。


「いてぇ!」


大袈裟に反応する爽くんに、渉くんの更なる冷たい怒りの視線が突き刺さる。


「わ、分かったよ…」


やっと爽くんは静かになる。ホッとした私は爽くんに渉くんと同じく、少し冷たい視線を向けて


「爽くんダメだよ?病院なんだから静かにしないとつまみ出されるから。翔兄ぃの事が心配で傍に居たいなら、静かにしてね?」


と注意をした。


「はーい、分かったよ…」


と爽くんは分かったのか分かってないのか…爽くんらしいと言えば爽くんらしい返事を返してくる。


「ちゃんと守ってね?」


私が念を押すと、隣にいる渉くんが棘のある口調で


「爽、チームの品位を落とすような行動や言動はするなよ?俺達や入院している翔真が恥ずかしい思いするんだからな!」


と少し意地悪な表情をして言った。




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