溺愛〜ラビリンス〜
「そっか…じゃあ飲み物選んで?」
私の言葉に渉くんはあっさりとそう言った。私はうんと返事をしてメニューに目を走らせた。
「えっと…じゃあ、ミルクティーにする。はい、渉くん…」
大体いつも飲み物は決まっているから手早く決めて、渉くんにメニューを渡した。
「うん?ありがとう。でも俺は珈琲に決まってるから大丈夫だよ。じゃあ注文するね?」
渉くんは店員さんを呼び二人分の注文をした。
店員さんが居なくなると、渉くんが私に視線を向け微笑んだ。
「柚ちゃん、翔真に会ってどう?」
いきなりの思いもよらない問いに、思わず息を止めてしまった。
「クククッ…柚ちゃん息して?」
渉くんは私が息をしていないのに気づいて笑いながらそう言ってくる。
「…うん。」
私は返事をしながら呼吸を再開した。
「ごめんね?意地悪な質問をいきなりして…」
渉くんはすまなそうな表情で謝ってきた。
「…ううん、ちょっとビックリしちゃったけど、大丈夫だよ。」
私がそう言うと沈黙が流れた。