溺愛〜ラビリンス〜


「柚ちゃん…確かに翔真は二人の事が気になっていたかもしれないけど…でもあの事故は、翔真の運転ミスが原因じゃない。避けられないアクシデントの所為だよ。だから事故の事は柚ちゃんが責任を感じる事はない。分かったね?」


渉くんは諭すように優しくそう言ってくれた。


「それに翔真だって、柚ちゃんの所為だなんて思ってないよ。逆に自分の所為で柚ちゃんが泣いていたら心配するし、自分が事故った所為で柚ちゃんが自分を責めていたら、…翔真の方が自分を責めるよ。翔真はそう言う奴でしょ?」


「うん…」


そうだ…翔兄ぃはそう言う優しい人だ。いつも私の事を一番に考えてくれる。自分の事は後回しで、私の事を心配してくれる…そう言う人だった。

「…そうだね。私が自分を責めても翔兄ぃは喜ばないね。私は翔兄ぃに心配かけないようにしないと…翔兄ぃには自分の事だけ考えて、早く目を覚ましてもらいたい。…渉くん…ありがとう。事故の事で自分を責めるのはもう止める。」


「…うん。」


渉くんは優しい笑顔を向けてくれた。


「お待たせしました。」


店員さんが注文したミルクティーと珈琲をテーブルに並べると、一礼して去って行った。また二人の状況に戻ると、珈琲を飲みながら渉くんが口を開いた。


「柚ちゃん…悠斗とはどうなったの?」





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