溺愛〜ラビリンス〜
二人きりになった室内は沈黙が広がった。
沈黙の中を、柚がゆっくりと近づいて来て丸椅子に座った。
「柚…」
「ん?」
「俺どれ位目を覚まさなかったんだ?」
「えっと…2週間寝てたんだよ。」
「…2週間か…随分寝てたんだな…」
「そうだよ!なかなか目を覚まさないから、すっごく心配したんだからね。もうこんな心配は嫌だよ?こういうの心配は、二度とかけないでよ?」
「悪かった…柚に心配かけるなんて、兄失格だな?」
「…翔兄ぃったら……アッそうだ!」
「どうした?」
急に柚が大きな声を出したから、驚いていると柚は言い辛そうに続ける。
「…あのね?此処の看護師さん達…私の事、翔兄ぃの彼女だと勘違いしてるの…」
「は?」
柚の言葉に思わず言葉が出ない。
「ごめんなさい…すぐ否定すれば良かったんだけど…お母さんもお父さんも聞いてて全然否定してくれないし…どう説明すれば良いのか分からなくなっちゃって…」
「プハッ…クックックッ…」
柚の話しを聞いていて、手に取るように状況が分かる。