溺愛〜ラビリンス〜
母さん達は、態と看護師に否定しなかったんだろう。柚が一人でどうして良いか困っているのを分かっていても、放っておいたんだ。まったく…うちの親達は…やってくれるよ。
「翔兄ぃ?」
柚が怪訝な表情で俺を見ている。俺は笑いが込み上げるのを何とか押さえ、ゆっくりと柚に言葉をかける。
「ハァ…悪ぃ。大丈夫だ…柚が俺の彼女だって思われても、別に誰も困らないだろ?心配すんな。」
「えっ…あの…でも…お母さん達は…」
「母さん達だって、傍で聞いていて知ってんだろう?それで何も言わないんだから気にする事ない。」
「でも…」
納得いかなそうな様子の柚は、まだ何か続けて言っているが、俺はそれを遮った。
「大丈夫だ。母さん達だって、柚が俺の彼女になってくれたら嬉しいって思ってるんだから…だから何も言わないかったんだぞ?」
「えっ…そんな…」
柚は俺の言葉に少し混乱したようだ。
「母さんにはこの前、俺は柚が好きだってはっきり宣言してある。」
俺の言葉が衝撃だったようで柚が息を飲んだ。
「ッツ……お母さん驚いたり、怒ったりしてなかった?」