溺愛〜ラビリンス〜

母さん達は、態と看護師に否定しなかったんだろう。柚が一人でどうして良いか困っているのを分かっていても、放っておいたんだ。まったく…うちの親達は…やってくれるよ。


「翔兄ぃ?」


柚が怪訝な表情で俺を見ている。俺は笑いが込み上げるのを何とか押さえ、ゆっくりと柚に言葉をかける。


「ハァ…悪ぃ。大丈夫だ…柚が俺の彼女だって思われても、別に誰も困らないだろ?心配すんな。」


「えっ…あの…でも…お母さん達は…」


「母さん達だって、傍で聞いていて知ってんだろう?それで何も言わないんだから気にする事ない。」

「でも…」


納得いかなそうな様子の柚は、まだ何か続けて言っているが、俺はそれを遮った。


「大丈夫だ。母さん達だって、柚が俺の彼女になってくれたら嬉しいって思ってるんだから…だから何も言わないかったんだぞ?」


「えっ…そんな…」


柚は俺の言葉に少し混乱したようだ。


「母さんにはこの前、俺は柚が好きだってはっきり宣言してある。」


俺の言葉が衝撃だったようで柚が息を飲んだ。


「ッツ……お母さん驚いたり、怒ったりしてなかった?」





< 622 / 671 >

この作品をシェア

pagetop