溺愛〜ラビリンス〜
柚の瞳が不安に揺れている。俺の発した言葉が柚を不安にさせてしまったのかと思うと、可哀想な事をしていると罪悪感に苛まれる。
「…いや母さんは俺の気持ちなんてお見通しで、驚くふうもなくてあっけらかんとしてた。逆に発破かけられてこっちが驚かされた。でも…母さんは俺を応援してくれてた。だから…何も俺達に障害はないんだ。安心しろ。」
俺がそう言ってもまだ戸惑った様子の柚に、まあ、いきなりの事だから仕方ないと思う事にした。この事は時間をかけて柚に理解させて慣れてもらうしかない。
「…お母さんが…そんな事を…」
俺はこの話しはこれでお終いにしようと、話題を変えた。
「なあ、柚…」
「何?」
「母さん達に連絡をする時、渉にも頼む。」
「アッ、そうだね。分かった。渉くん達もずっと交代で、毎日来てくれてたの。私の送迎もしてくれて…今日も健人くんと凌くんが、朝私を送ってくれて見舞ってくれたんだよ?午後も私の迎えに来てくれる予定だけど、少しでも早く知らせないとね?」
俺が意識がなかった時も渉達が柚の事を守ってくれて、そして支えてくれていたんだろう…素直にアイツ等に感謝した。