溺愛〜ラビリンス〜
渉は学校だったろうが、俺の気持ちを察してくれた。感謝をしながら電話を切った。
正直、渉がどんな事を言うのか考えると怖い気持ちもある。
俺が怖いなんて爽や健人が聞いたら、嘘だろうと笑うだろうが、柚の事だけは俺にとって特別で、柚はあらゆる感情を俺にもたらす。
だから今、俺は不安を抱えながらそれでも事実を聞いて、柚を守りたいと気持ちを奮い立たせていた。
電話から30分後、渉が病室にやって来た。
「すまないな…サボらせて…」
「フッ…今更かよ。すぐ来いって呼びつけといて。それにサボりは俺等の専売特許だろ?」
俺に気を使わせないように気使う渉はそう言って笑った。
「そうだな…」
「それで?翔真は何を聞きたいの?」
渉が真顔になって、いきなり本題に切り込んできた。
「…俺が意識がなかった間…柚に何があった?」
「……翔真…何か柚ちゃんから言われたのか?」
俺の言葉に渉が息をつめた後、逆に聞いてきた。
「…いや。ただ柚の様子がおかしかったから、何かあったんだと思っただけだ。」