溺愛〜ラビリンス〜

「そうか…」


渉は納得したようにそう言うと、一度言葉を切ってから覚悟を決めたような表情をして話し始めた。


「…翔真…俺はお前の親友で、ガキの頃からの付き合いの幼馴染みで、そしてチームでは、お前の片腕として仕える存在だ。だから…お前に嘘は言えない。本当は…もう少しお前が落ちついてから言うつもりでいた。」


「…渉、お前の気持ちは分かっている。それに今を選んだのは俺だ…気にするな。」


「分かった…ハァ…お前が事故ったあの日…柚ちゃんは帰って来なかった。」


ある程度予想はしていたが、渉から聞くとやはり衝撃を受けずにはいられなかった。


「翔真…大丈夫か?」


渉は、息を飲み固まる俺の様子を見て心配している。


「大丈夫だ…それで?」


「うん…俺達はお前が事故った直後から柚ちゃんに連絡をしたんだけど、連絡がつかなくて、悠斗にも電話したがダメで、仕方なく悠斗の側近にあったったんだ。だけど…側近達は柚ちゃんの行方を知っているけど教えない…苛々するようなやり取りが続いて…夜中になってやっと側近を動かす事ができた。結局、柚ちゃんが悠斗と病院に来たのは真夜中だった。」





< 635 / 671 >

この作品をシェア

pagetop