溺愛〜ラビリンス〜
「翔真…お前の話しは終わったんだろう?もう良ければ帰るぞ?どうせ学校終わったら、柚ちゃんが来るんだろう?」
俺は渉をサボらせてしまった事を思い出し、渉の言うように用件も済んだから、これ以上引き止めるのは悪いと思った。
「あぁ…態々来てもらって悪かったな?」
「いや俺もお前と二人で話したかったし、聞きたい事も聞けたから丁度良かった。だから気にするな。それより早く治せよ?あっ、柚ちゃんはチームの方で送迎するから心配するな?じゃあな!」
渉はそう言って帰って行った。
渉から聞いた事実は、俺に激しい怒りと、嫉妬、そして悲しみと言った負の感情を呼び起こし、胸は嵐のように負の感情が荒れ狂っていた。
だけどそれを柚にぶつける事はできない。柚はきっと既に苦しんでいた筈だ。これ以上柚を追い詰めたり苦しめたりする事はできない…それに…俺が許せないのは、怒りをぶつけたいのは、約束を守らなかった悠斗に対してだった。
俺は柚が病院に来るまでに冷静になって、いつもの俺で柚を迎えなければと思った。
渉が帰ってから数時間、そろそろ学校が終わる時間だ。もう少しすると柚が来るだろう。