溺愛〜ラビリンス〜
正直柚に会うのが怖い気がした。今まで柚に対してそんな事思った事は、当然一度もなかった。俺がそんな風に柚を思う日がきた事に自分で驚く。
柚を嫌いになった訳じゃない。煩わしい訳でもない。ただ…柚の前でいつも通りでいられるのか…普通に笑顔を向ける事ができるのか…自信がなかった。
悶々とした気持ちのまま時間は過ぎていった。
「翔兄ぃどう?」
柚が笑顔で病室に入って来た。その後を凌と健人がついて来る。
「どうだ翔真…少しは落ち着いたか?」
「あぁ…」
「事故から日数も経っているから、顔の怪我も殆ど消えたし、後は骨折した所が治れば復帰だな?」
「そうだな…バイクは当分無理だけどな?」
俺が健人にそう言うと、柚がいきなり口を挟んでくる。
「翔兄ぃ!当たり前でしょ。できればもうずっとバイクに乗ってほしくないのに!当分バイクは禁止だからね?」
少し怒った口調で言う柚に、俺は柚がどれだけ心配しているかを感じて
「分かった…当分乗らないから安心しろ。」
と言った。
柚は俺の返事に安心してホッとした表情をする。