溺愛〜ラビリンス〜

「…柚ありがとうな?」


俺が花を見ながらそう言うと、柚は嬉しそうに、うんと頷いた。


「さあここに居ると当てられるだけだから、俺達は退散しようか?」


凌がちゃかした風に言うと、


「そうだな…俺達邪魔者みたいだしな。」


健人も同調する。


「あぁ…そうらしい。ユズ姫と二人きりになりたいそうだ。だから送迎して来たら、帰れって翔真から言われた。」


凌が健人にさっき俺が言った事をこの場で暴露する。


「えっ?」


柚は驚いた表情をしている。


「ったく…目が覚めたらすぐ翔真の病気が始まったか…」


健人はため息混じりにそう言った。


「健人くん病気って…」


柚が不安そうに健人の言葉を気にして聞き返す。

「ハァ…そりゃユズ姫の事しか見えない、考えられない病でしょ。」


と健人が言うと柚の顔が真っ赤になった。


「健人くんふざけないで!」


柚が怒っても気にする風でもなく、


「事実なんだから仕方ないだろ?」


と言い返す健人に柚はもう何も言えず困惑している。




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