溺愛〜ラビリンス〜
「柚コイツ等の言う事は気にしなくて良いからな?」
俺は柚にそう言いながら凌と健人を軽く睨みつけ牽制した。
「…翔兄ぃ。」
「でもな…俺は柚が大事だと思っているし、柚の事を絶対守るって思っているから、柚が安心して俺の傍に居られるように、いつも柚の事を心配したり考えたりしているのは本当だ。」
「ッツ…」
柚が言葉を詰まらせ、目はウルウルとさせて俺を見ている。
「だから…ずっとこれからも俺の傍に居てくれ。」
俺は柚を見つめ自分の一番の願いを言った。
今、柚は色々葛藤があるだろう。俺と悠斗の間で辛い思いをしていると思う。でも…それでも…俺は柚に傍に居て欲しい。柚の傍に居たい。
その思いを柚に伝えたかった。
「…翔兄ぃ…ありがとう。」
小さい声で柚はそう言った。俯いていて柚の表情は見えないから、柚が今どんな顔をしているのか、何を考えているのか読み取る事ができない。
ガラッと小さく物音をさせて病室のドアを開け、凌と健人は静かに出て行った。俺達の邪魔をしないという配慮だろう。
柚は凌達が出て行ったのを気がついていないようだ。