ツンデレ社長の甘い求愛
「それに相手は家に帰ればいつも私のそばにいてくれる人なんです」

常に私に寄り添ってくれるカイくんがいるのだから、決してこれは嘘ではない!


大いに噂を有効活用して、精一杯の見栄を張る自分。……うん、こうやって自信満々に言っているのが酷く滑稽に思えてならない。

けれどいくら自分が惨めに思えようと、目の前にいる社長の思うがままからかわれるのだけは勘弁だ。

それなら嘘の見栄でもなんでも、張ってやろうじゃないの。


噂だけでしか聞かないけれど、社長に恋人がいるって話は聞いたことがない。

そもそもこの傲慢で意外に子供な一面を持ち合わせている社長に、素敵な彼女なんてできないでしょ。


むしろ社長のすべてを知って……いや、私もプライベートはほとんど知らないけれど! 彼の会社での様子などすべてを知ってまで、まるごと愛してくれる相手なんているのだろうか。


うん、そんな相手はいないはず。

ひとり勝手に心の中で毒づき、社長には恋人がいない。なのに私にはいるとなれば、さすがの社長もなにも言い返せないだろう。という結論に至った。

「あっ、すみません。社長は仕事一筋ですもんね。私みたいに素敵な恋人を作っている暇もありませんよね?」
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