ツンデレ社長の甘い求愛
だからひたすら目を泳がせていると、由美ちゃんの獲物を仕留めるような鋭い視線を感じ、身体は硬直してしまった。

そしてそんな私に由美ちゃんは静かに言い放った。

「かすみちゃん……なにがあったのか、詳しく話なさい。包み隠さず、全てを」

「…………はい」

もちろん逆らえるはずもなく、ご要望通り包み隠さず最近の出来事を全て話していった。


「やだもう、かすみちゃんってば心配しなくても、しっかり恋愛を楽しんでいるじゃない!」

「いや、それはその……」

あれからしどろもどろになりながらも、すべて曝け出すと、由美ちゃんは途端に上機嫌になり、新たに一本ワインを開け始めた。


「普通の二十代一般女子は間違いなく社長に恋心を向けるところを、かすみちゃんはお隣の冴えないボサボサ愛犬家男子に向けるところがさすがだわ」


うんうん頷きながらグラスにワインを注いでいるけれど、えっと……これは誉められているのだろうか、それともけなされているのだろうか。

なんて答えたらいいのか迷っていると、由美ちゃんは頬杖をつき目を細め私を見つめてきた。
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