ツンデレ社長の甘い求愛
「帰っちゃったね、カイくん」

「クゥーン……」

マンション下でカイくんと、由美ちゃんを乗せたタクシーを見送っていると、急激に寂しさに襲われていく。

誰かが家にいる時間は、あっという間に過ぎていくんだよね。

きっと家の中に戻ったら、シンとしちゃってさらに寂しく思っちゃうんだろうな。

「でも私にはカイくんがいるしね」

しゃがんでカイくんの頭を撫でれば、嬉しそうに尻尾フリフリ。

うん、カイくんがいれば寂しくないや。

「お家入ろうか」

「ワン!」

立ち上がりエントランスへ向かっていたときだった。


「ワンワンワンッ!!」

「あぁ、こらラブ! 待ちなさい!」

時刻は夜の十時過ぎ。

人通りの少ない静かな歩道に、突如聞こえてきたふたつの声。

私より先に反応したのは、もちろんカイくんだった。
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