ツンデレ社長の甘い求愛
見方を変えれば、社長の傲慢な発言にも寛大でいられるかもしれないと思っていたんだけれど……。


「なんだ、この捻りに捻った変な味は。パッケージもまだまだ改良が必要だ」

打ち合わせが始まってわずか五分。

社長は容赦なくバサバサ切っていく。

「三周年商品なんだぞ。せっかく素材でいい物を使用しているのに、それをまったく生かしきれていない。パッケージも全然目を引かないものばかりだ。これでは他社製品に埋もれるだけだ」

「は……はい」

「すみません」


開発部とデザイン部の社員の頭が上がらない中、主任はおろおろしてしまい、私はというとただ様子を見守るばかり。

いや、本音を言えば口を挟みたい。

けれど社長に以前言われた手前、ここは見守ることに徹していた。

社長は今、開発部とデザイン部に言っているわけだし。

企画部の私が口出してはいけない。

それに社長が言っていることは、間違っていないと思うから。

でもなぁ、味もパッケージもまだ第二段階。

完成されていなくて当たり前な状況なのに、あそこまできつく言わなくてもいいのに……と思ってしまう。
< 143 / 347 >

この作品をシェア

pagetop