ツンデレ社長の甘い求愛
だって私、今日は社長に注意を受けるような言動は慎んでいたはずだけど……。

けれど社長の顔は眉間に皺を寄せていて、心なしか怒っているようにも見える。

もしかして私、自分でも気づかないうちに何かやらかしていたとか?

不安に襲われながら社長の元に辿り着くと、彼はすぐにドアを開けて廊下に出てしまった。


えっと……これはついてこいって意味で合っているよね?

一瞬躊躇してしまったけれど、私も社長に続いて廊下に出ると、どうやら正解だったようで誰もいない廊下で社長は立ち止まっていた。

バタンと静かにドアを閉めた後、社長の前に立った。


「ご用件はなんでしょうか?」

恐る恐る……けれど決して顔に出すことなく問いかけると、社長はなぜかジッと私を見下ろしたまま。

眉間の皺の数は先ほどより増えている。

いや、これまで何度も会議のたびに社長が眉間に皺を寄せて、怒りの眼差しを向けられたことは数え切れないほどある。

でもそれは私がいつも負けじと言い返していた……というか、自分の意見をお構いなしにバンバン言っていたからであって、今日ばかりは違うと思うのだけど……。

しかもなにも言わないから余計に不気味だ。
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