ツンデレ社長の甘い求愛
後継者って……それはつまり子供ってことですよね?

結婚を通り越した未来の話に、思わず浅野さんを見てしまった。

すると浅野さんも会長の提案は予想外だったのか、戸惑っている。


どうしよう、これ。
本気でどうしたらいいのだろうか。


会長のお呼び出しに救われたと思っていたけれど、こんなことになるならあのまま企画部のみんなに、色々と質問責めされていた方がマシだったかもしれない。


でも――、いつまでも会長を騙したままでいいわけがない。

社長に対してもそうだけど、時間が経てば経つほど、言い出せなくなっていってしまいそうだ。


社長のことを想っている会長には非常に言いづらいことだけど……こんな話を持ち掛けられてしまったら、もう言わずにはいられないよ。


唇をぎゅっと噛みしめ、目で浅野さんに〝伝えます〟とアイコンタクトをし、私の返事を待つ会長に切り出した。


「あの会長……今さらで大変申し訳ないのですが……」

「ん? なんだい」

これから伝えることを聞いた会長の反応を予想すると怖いけれど、いつまでも言わずにいるわけにはいかない。

覚悟を決め真実を打ち明けた。
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