ツンデレ社長の甘い求愛
けれど指も差したくなる。

だってまさかこんなところで社長と会うことを、誰が予測なんてできる?


でもそう思っているのは私だけではないようで、社長も驚き言葉が出ない様子。

しかも社長と会うのは、あのまさかの一晩共にしてしまった日以来。


偶然とはいえ出張前に会えて嬉しいけど、恥ずかしさの方が上回っていき社長を見ていられなくなる。

なにか話したいのに話題が思い浮かばない。

そうこうしているうちに、搭乗開始アナウンスが聞こえてきた。


「あ……すみません、社長。私これから北海道の方へ出張なので失礼します」

頭を下げ去ろうとしたけれど、社長の「待て」の声に足が止まる。

そのまま社長を見れば、なぜか顔を引きつらせながら尋ねてきた。


「その出張、まさかとは思うが、フラワーチョコレート関係か?」

「……? はい、そうですけど」

首を傾げながら答えると、社長は盛大な溜息を漏らした後、額に手を当て「やられた……」と呟いた。




「えっ! ちょっとどういうことですか!?」

「それは俺が聞きたいね」


あれから搭乗手続きを済ませ座席についた私は、大声を上げて社長に詰め寄っていた。
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