ツンデレ社長の甘い求愛
眉尻を下げ私を見つめる社長に、ドキッとしてしまった。

社長……私のことを心配してくれていたんだ。

しかもなに? 忙しい中、そこまで考えていてくれたなんて――。

嬉しくて気を緩めたら涙が出てしまいそうだ。


必死に耐え、小さく頭を下げた。

「お気遣い、ありがとうございます。ですが私なら大丈夫です! それに同僚たちはいつもと変わらずに接していただけるので」

そう伝えると、社長は安心したように肩を小さく落とした。


「そうか、それならよかった」

『それより社長の方こそ大丈夫なんですか?』

今にも飛び出してしまいそうな言葉を、必死に飲み込んだ。


本当は聞きたい。彼女がどこのだれか分からないけれど、もし同じ会社の人だったら間違いなく噂を耳にしてしまうはず。

例え社外の人だとしても、自分以外の女性と彼氏が噂になっていると知ったら、嫌だよね。


聞きたかったけれど堪えた。

だってそんなの、社長からしてみたら余計なお世話だろうし。……私が心配することではないと思うから。


「それにしてもじいさんには困ったもんだ。パーティーの件といい勝手に馬場を巻き込んで、なにやっているんだか……」

背もたれに深く寄りかかり、呆れ気味に話す社長に、気になって思わず聞いてしまった。
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