ツンデレ社長の甘い求愛
隣を見れば社長も私を見ていて目が合い、ドキッとさせられてしまう。


「あれだな、就任当初からお前は臆することなく、俺に自分の意見を言ってきたからかもしれない。……それに最近、なにかと一緒に過ごしているしな」

「社長……」


なんですか、その笑顔は。

普段ほとんど笑わないくせに、どうしてふたりっきりの時に限って色々な表情を見せるのかな。


胸がギュッと締め付けられて痛い。

「あの日は無事に帰れたか?」

「……はい、大丈夫でした」


それに心配するにも優しいのも反則。

いつものように罵ってくれたらいいのに。

そうすれば今、こんなにも胸をときめかさずに済むのに。


「悪いが今回の出張には同行させてもらうぞ。不本意な経緯だが、一度大久保さんには挨拶したいと思っていたんだ。今回のフラワーチョコレートが成功したら、今後ともお願いしたいしな」

「分かりました、よろしくお願いします」


悪いのはこっちの方だ。

会長の企てとはいえ、こうして思いがけず社長と出張を共にできて、嬉しいと思ってしまっているのだから。
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