ツンデレ社長の甘い求愛
だめだな、気持ちはますます大きくなるばかり。

叶わない恋だって分かっているのに、一向になかなか嫌いになれない。


最初から嫌いだったのに。

例え一度好きになってしまっても、嫌いになるのは簡単だと思っていたけれど、恋心は複雑だ。


どんなに嫌いな相手だったとしても、一度好きになってしまったら、そう簡単には嫌いになれないようだ。

私の気持ちは報われることないと思う。……でも勝手に想っているだけならいいかな?

だってそう簡単に諦められそうにないんだもの。

だったらこのまま社長のことを好きなままでいてもいいかな?


社長への想いは募るばかりだった。




「はじめまして、今井大喜と申します」

「はっ、はじめまして……!」


約束の十三時。社長と共にバターの生産者である大久保さんが経営する、牧場兼製造工場に隣接している事務所を訪れていた。


広々とした牧場には牛が放牧されていて、敷地内にある小さな製造工場では、十名程の従業員で毎日バターを製造している。

地元にしか卸していないバターと出会ったのは、昨年の夏、由美ちゃんと夏季休暇を利用して北海道旅行で訪れたときだった。


搾乳体験やバター作りが体験できると知って訪れ、直売所で購入し、味にすっかり虜になってしまったのだ。
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