ツンデレ社長の甘い求愛
「お待たせ、カイくん。帰ろうか」

あれからカイくんとやってきたのは公園近くにあった大型スーパー。


いつも利用しているスーパーではないから、どこになにがあるのか迷ってしまい、だいぶカイくんを外で待たせてしまった。


たまにはなにか作ろうかと思ってはみたけど、どこになにがあるか分からず、次第に面倒になってしまい、気づけばでき合わせのおかずをかごに入れている自分がいた。


「まぁ、これが私らしいというかなんというか……」

繋いでおいたカイくんのリードを解いていると、ポケットの中に入っているスマホが鳴り出した。電話だった。


「え、誰だろう」

一度中断し、ポケットの中からスマホを取り出すと電話の相手は、同期の仙田くんだった。


「仙田くん……?」

滅多に電話でやり取りなんてしないのに。ましてや今日は休日だ。

何の前触れもなく掛かってきた電話に疑問を抱きながらも、電話に出たけれど、出た途端すぐに切られてしまった。


「なに? 一体」

もしかして間違えたとか? いや、間違えにしては長い間鳴り続けていたよね?

それに間違えたのなら一言「間違えた」って言ってくれてもいいのに。

画面を見ても謝罪のラインさえきていなかった。


なんだったんだろう。

首を傾げてしまっていると、カイくんが早く帰ろうというように足元でウロウロ。

「ごめん、カイくん」

気になるけど、明日会社で会ったときに聞けばいいよね。

掛け直してこないってことは、重要な電話ではなかったようだし。


そう思い、カイくんと自宅マンションへと帰って行った。
< 282 / 347 >

この作品をシェア

pagetop