ツンデレ社長の甘い求愛
安心させるように言っても由美ちゃんはいまだに腑に落ちない様子。


「心配するのは当たり前でしょ? でもそれはれっきとした犯罪だし、総務部にしっかり調査してもらいなさい。分かった?」

「うん、分かったよ」


するとやっと落ち着いたのか深い溜息を漏らした。

「けれどまぁ……驚きね、まさかお隣の冴えない彼とかすみちゃんの会社の社長と同一人物だったなんて」

「……うん、私も最初聞いた時は驚いたし、なかなか信じられなかった」


第一ふたりが同一人物だなんて、結びつかなかったし。

「でも間違いなくふたりは同一人物で。……それで私の好きな人なの」


改めて自分の気持ちを他人に伝えると、気恥ずかしくなる。

けれど由美ちゃんに隠し事はしたくない。


由美ちゃんは口を挟むことなく、私の話に耳を傾けてくれた。


「知れば知るほど社長のことを好きになっていったの。だからこそ自分の口からすべてを打ち明けたかった。……打ち明けた後、好きって伝えたかった」


それなのに――きっと社長にも会うまでに知られてしまうはず。

そう思うと切なくて悔しくて、拳をギュッと握り締めてしまう。


嘘をついてしまっていたからこそ、全て自分の口から伝えたかったのに――……。
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