ツンデレ社長の甘い求愛
胸がはち切れそうになってしまったとき、由美ちゃんが口を開いた。

「私は順番なんて関係ないと思うな。……大切なのはかすみちゃんの口からしっかりと伝えることじゃないのかな?」

「……え?」


思わず由美ちゃんを見つめてしまうと、彼女はクスリと笑みを漏らした。


「もしかしたら明日会う前に知られちゃうかもしれないけど、それでも逃げずに自分の口からしっかり伝えないと。向こうだって聞きたいと思うわよ。かすみちゃんの口から直接」


「由美ちゃん……」

唖然としたまま隣に座る彼女を見ていると、喝を入れるように背中を叩かれた。



「しっかりしなさい! 私の姪でしょ? へこたれていたらメールを送信した犯人の思うつぼよ? 堂々と出社して彼に伝えなさい。ちゃんと自分の口から伝えたかったってことも含めてすべて。そうすればきっと彼も分かってくれるはず。……そういう人なんでしょ? かすみちゃんが好きになった人は」


そうだよ、由美ちゃんの言う通りだ。

私が好きになったのはそういう人。

だからこそ好きになったんだ。


「ありがとう、由美ちゃん。……元気出た」


身体を丸めて小さくして会社に行ったら、本当に犯人の思うツボだよね。

それに社長なら絶対私の話を最後まで聞いてくれるはず。
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