ツンデレ社長の甘い求愛
「あるだろ!? でなかったらおかしいだろう! 悪いけどみんな言っているよ」

吐き捨てるように言われた言葉が、胸に深く突き刺さる。


本当に違うのに。

そんな理由で私の企画が通っていると思われていたの? しかもみんな?


企画を通すのは毎回簡単なことじゃない。

皆と同じように残業して話し合って、リサーチして。

全力で挑んだ結果だ。それなのに、あんまりだ。


悔しくて悲しくて切なくて。

沢山の感情に一気に襲われていく。


「日曜日、馬場を街で見かけたのは偶然だった。似た声だと思ったらまるで別人がいてさ。思わず電話で確認したら、まさかの馬場本人だったんだもんな」


だからあの時、電話に出た途端すぐに通話が切れちゃったんだ。

次の瞬間、赤く腫らした目で睨まれてしまった。


「だから写真に収めたんだ。佐久間たちに広めて恥をかかせてやろうと思った。少しくらい辛い思いをさせてやろうと」


そこまで言うと、仙田くんは唇をぎゅっと噛みしめる。

言葉に詰まってしまった彼に代わって、佐久間くんが得意気に話した。


「だから俺が社内中に一斉送信してやったってわけ。不正が堂々と行われているなんておかしな話だろ? 馬場に嫌な思いをさせるべきだと思ったんだ」

「……っ!」
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