ツンデレ社長の甘い求愛
犯人は佐久間くんだったんだ。

彼があんなメールを社内中に……!


沸々と怒りが込み上げ彼を睨みつける。

けれどそんな私を見て佐久間くんは、面白そうに笑った。


「いいねその顔。……俺はずっとお前のそんな顔を見たかったんだ。いつも勝気な顔しやがって……! 女のくせに生意気なんだよ」


吐き捨てられた暴言に涙が込み上げてきてしまう。


泣きたくない、こんなところで泣いてしまったら、ますます佐久間くんの思うツボだ。


「なに言って……! それよりあなたのやったことは犯罪ですよ!」

「そうだそうだ!」


怒りを露わにする亜美ちゃんたちに、佐久間くんは嘲笑った。


「何言ってるんだよ、俺はみんなに真実を教えてあげただけだ。それが今のこの現状だろ? 誰ひとり割って入って馬場を庇う奴なんていない。……お前ら以外な」


顎で指すのは悔しそうに顔をしかめている亜美ちゃんと松島主任。


「社内ではどこを歩いても馬場の話題で持ち切り。もちろん悪い話題で……な。自分が一番分かっているんだろ? 視線も言われているってことも。社長を騙してズルイことしていたんだ、当然の報いだ」


社長を騙していた――。

その言葉が胸を苦しくさせていく。


そうだ、私は社長を騙したことになるんだよ……ね。


最初から知っていたわけじゃないとしても、結果的に嘘をついて騙していたことになる。

いくら自分の口から説明したとしても、社長を騙していたことに変わりはないんだ。


ズンと胸に重く圧し掛かってくる。
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