ツンデレ社長の甘い求愛
「うちに勤めている社員なら、俺がどんな男か知っているよな? 不正をするような奴の企画を採用すると思うか? なんの努力もせず楽している奴に仕事を任せると思うか? 言っておく。馬場をはじめ、第一企画部全員がいつも全力で仕事に取り組んでいる結果が全てだ!! 企画書を見ればすぐにわかる。どれだけの思いをぶつけてきているのかを。そんな社員たちをなんの努力もせずに妬み、悪く言う社員はうちの会社にいらない!!」


社長……!


気づいてくれていたんだ。

私たちがいつも戦略会議に備えて、どれだけ努力してきたかを……!


ふと亜美ちゃんと松島主任を見ると、ふたりも感極まって目を潤ませていた。

その姿に目頭が熱くなっていく。


なにも言わなくなった社員たちに、社長は怒りを露わにしていく。


「それとなにやら近頃、俺のプライベートに関して過剰な噂が流れているようだから言っておく」


そう言うと社長は素早く私の腕を掴み、引き寄せた。


「――え、社長……?」


驚き社長を見上げてしまうと、彼の真剣な横顔が視界いっぱいに飛び込んできた。

そして周囲を見回し言った。


「俺がどこの誰を好きになろうと、それに関してお前らに迷惑はかけていないだろう!? それともなにか? 俺に好かれた女は皆、社員だったら馬場のように嫌な思いをさせられるのか!? 勝手に写真ばらまかれて、今のように袋叩きに遭わすのか!?」


すると社長は驚き固まってしまっている佐久間くんを見据え、鋭い眼差しを向けた瞬間、彼の身体は強張った。


「俺が騙されているだと? 悪いが俺の愛はそんな小さなことで消えるものじゃない。……知っているよ、彼女のことならなにもかも。第一俺はこいつの外面に惹かれたんじゃない。すべてに惹かれたんだ」


社長……? 今なんて言った?

信じられない言葉に目を見開いてしまう。
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