ツンデレ社長の甘い求愛
「以前お住まいのところではいなかったんですか? 散歩先で知り合った方やラブちゃんと仲良くしていたワンちゃんは」

尋ねた途端、山本さんは表情を曇らせた。


「えっと……お恥ずかしいもので、ラブを飼ったものの仕事第一の生活で世話はすべてシッターさんにお願いしていたんです。でもラブと過ごせる時間は限られているのに、今のままではよくないと思いまして、思い切って引っ越しを決めたんです。会社からも近くて、ラブと快適に過ごせる今のマンションに」


ゆっくりとしゃがみ込み、尻尾を振っているラブちゃんの頭を撫でる山本さん。

「そうだったんですか……」

私もしゃがみ込み、彼と目線を合わせた。


「これからはできるだけ自分でラブの世話をしようと思いまして。なので早速こうして長日部さんにいいところを教えて頂けて助かりました」

口元を緩ませる山本さんに、心底誘ってよかったと思った。


「いいえ、お役に立ててよかったです。でもいくら会社の近くといっても、仕事は大丈夫なんですか?」

余計なお世話と分かっていても、つい聞いてしまった。
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