ツンデレ社長の甘い求愛
「市場では働く女子の間でプチ贅沢が流行しているのは、今井社長もご存知ですよね? 少しくらい高くても、買ってくれるはずです! それに見合った味にさせます!!」


力説すると、経営幹部たちは顔を見合わせた。

そして肝心の社長は……。

いつの間にか会議室内にいる全員が社長に視線を向ける。


今井社長が就任してからプレゼンのたびに思うことだけど、この間がなんとも言えぬ緊張感に襲われるんだよね。

けれど伝えることは伝えられた。

あとは社長の判断を待つだけだ。


バクバクと心臓音を鳴らしながら社長が口を開くときを待つ。

すると社長は目を通していた企画書を机の上に置いた。


「コストや販売戦力面で、まだ詰めが甘い箇所がある。そこは今後徹底的に詰めろよ」

ぶっきらぼうな言い方だけれど、それはつまりゴーサインを出してくれたことを意味している。


張り詰めていた糸が一気に緩んだように口元は弧を描き、大きく頭を下げた。

「ありがとうございます!」
< 9 / 347 >

この作品をシェア

pagetop