ツンデレ社長の甘い求愛
ある程度知識が頭に入っていれば、オーダーを取ったり商品を提供したり、会計やご案内など、そつなくこなすことが出来た。


若い女性客を中心に十五時から混雑し始め、時間はあっという間に過ぎていき気付けばもう十七時半過ぎ。

頼まれていた時間を経過すると、すぐに店長は「上がっていいですよ」と声を掛けてくれたのだ。

バックヤードで店長にお礼を言われるものの、本当にここで上がってしまっていいものか不安になる。

学校を終えた高校生や大学生、そして夕食を取りにきたお客様で今も行列ができているのだから。

心配になって聞いてみたものの、店長はすぐに手を左右に振った。


「とんでもない! ただでさえ来ていただいて申し訳ないのに。それに十七時からバイトを入れていますので、充分人は揃っているんです。なので本当にお気になさらず上がってください」


店長の言っている通り、今フロアはバイト生でまかなえている。

それじゃいいのかな? ここはお言葉に甘えて上がらせてもらっても。

「ではすみません、お先に失礼します。……久し振りにお客様と直に触れ合うことができて、良い刺激をいただきました」

深々と頭を下げると、店長も頭を下げた。

「そんな! お礼を言うのはこちらです。お忙しい中ヘルプに来ていただき、本当にありがとうございました」

「いいえ、こちらこそ」
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