ツンデレ社長の甘い求愛
「なにを言って……っ」

「図星ですよね?」

会社で見る社長とは違い、どこか親近感を覚えてしまう言動に、いつもより強気な態度が出てしまった。

けれどこれがやはり見事的中したようで、途端に社長は言葉を詰まらせ、掴んでいた私の肩をゆっくりと離した。

そして耳を疑うようなことを、地面を見つめたまま呟いた。

「そうだと言ったら、付き合ってくれるのか?」

「…………え?」

社長の口から出た言葉とは思えない発言に、息が詰まってしまった。

間が空いた後、聞き返してしまうと社長は開き直ったように私を見据え繰り返した。


「ひとりで入るには抵抗があるコンセプトの店だし、周囲の目が気になるから付き合ってくれって言っているんだ!」

とても人に頼んでいるようには思えない物言いだけれど、普段の社長を知っている身としては、かなり社長は無理しているのだとヒシヒシ感じられる。

だからこそ信じられないというか、なんて言えばいいのだろうか。今の気持ちを。

普段とはまた違った一面を見せられて不意打ちきた! というか……。

大人の男、しかも社長という立場から素直に言えないけれど、頑張って言っているところにキュンときたというか……。

――ん? キュンときた?
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