好きになるまで待ってなんていられない


「御飯は?食べた?」

「食べたよ」

「そう」

わざわざこっちに来てくれたのね。

…あ、社長に着いたって連絡しておかないと。

「慶而君、ごめんね、ちょっとだけメールするね」

「社長さんに?」

「着いたらいつも連絡するように言われてるから、ごめんね」

【着きました。成美】

よし、これでいい。
信号で停まった。

「貸して?」

え。

【今から慶而君と一緒です】

「はい」

…。

「なんて事…。わざわざ伝えなくても」

「いいから。妬きたいだけ妬かせてあげないと。
だって社長さんは灯の作った御飯食ってんだから。
このくらいしないと」

…。

「灯?…」

「…ごめん。何か、中途半端な事をしてる私が良くないのよね。
何も無い、それは本当。
…家政婦みたいな感じなら来れるだろうって。
…ごめんね」

こんな事をしている私の事、きっと嫌だと思う。

「灯…。好き?俺の事」

「うん、好き」

好きって…確かめさせてはいけない。
聞くって事は、好きが伝わって無い…。
…信じられないって事。
盤石なつき合いになっていない。
楽しいは、物凄く刹那的な気がする。

「俺も好きだよ」

「うん」

手を握られた。
あ、また、私。ドキッとした。
自分からも少し握り返した。

「…好き。凄く好き」

「灯…」

肩を抱き寄せられた。

「あ、危ない。慶而君、危ないから」

「もう…、早く家に着かないかな。灯ん家に行けば良かった」

慶而君…。

男の人は好きだという気持ちイコール、したいに直ぐ直結してしまうものなのかしら…。

直ぐ…発情するような気がする。
…年齢なのかな。

あ、…じゃあ、エロ社長は、何なんだろう…。エロいのか…。

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