好きになるまで待ってなんていられない
はぁ、はぁ、…。着いた。…はぁ。はぁ、苦しい。
…こんな時、階段はきつい。最後の拷問よ。…もう…脚が思うように上がらない。圧倒的に筋力低下…。
こんな事になったのも、…あの悪魔のせいよ。だいたい…、朝になってするからよ。
「もう…、時間が無いから、…嫌」
「いいから、ベッドに寝ろ。いいか?」
上から覆いかぶさるように乗ってくる。息が掛かるほど近い。
「した事無いから…、怖いから、ゆっくりして。あ、ちゃんと言いながらして」
「解ってる。脚、広げるぞ?」
嫌…やっぱり、こんなの恥ずかしいよ。
経験が無いってのも怖いし。
「ん、…ん、ん゙ん゙、…はぁ」
「息、詰めるな。今、吐いた方がいい。ゆっくり、…そうだ。痛くないか?大丈夫か?続けられそうか?」
「はぁ、…大丈夫、みたい」
「よし。今度はこっち。右脚だ。膝曲げるぞ?…押し広げるぞ?こっち、違和感があるだろ」
「ん゙はぁ、そう言われたら、何だか、引き付けた時も角度が違うような」
「ああ、そうだ。歪んでるからな。こうして、交互に、無理の無いようにやるんだ。痛みがあるようなら、絶対、勝手にやるなよ?俺が診るから」
「はい」
「繰り返し続けないと駄目なんだ。また戻るから。あと、さっきやった、タオルを挟んだスクワットも。続けていたら、身体も楽になるし、バランスが良くなる。それから、履きたいかも知れないが、ヒールのある靴は最低限に抑える事だな」
「解りました。はぁ…、こんな汗が出るほどになるなんて…」
「血行が良くなったしな。やって良かっただろ」
「う、…はい」
…。
「あ、おい、急げ。時間」
「あ、まだ大丈夫でしょ?」
「いや、今から渋滞だ…」
「えー!」