好きになるまで待ってなんていられない
あ。
「…また開いてる。危ないだろうが」
「何…勝手に開けて…、入ってるのよ…」
ざわざわする。
「鍵、開いてたんだって。驚かないのか?」
「え?」
「キャーッて叫ばなかった」
「驚いてるわよ」
驚くにきまってるじゃない。
「寂しいだろうと思って」
「え」
「一人は寂しいんじゃないかと思ってさ」
…。
「いいんじゃないか?」
「え」
「寂しくなったら寂しいって言っても」
…。
「ほら、言えよ」
…。
「強情だな。ま、あんたの性格上、言われれば言われる程、益々強情になるだろうけど」
…。
「…居なかったじゃない。帰って来た時…、明かり、点いてなかった」
「ん?あぁ、家に帰ってたからな」
「…また来たの?」
「ああ」
…わざわざ?
「はぁ…。俺は素直だろ?」
「え?」
「あんたに聞かれた事に正直に答えてる。で?寂しいんだろ?」
…。
「…うん。一人だなぁって、しみじみ思ってた。あ、今日に限ってよ?」
「フ。やっぱり強情だ。寂しいとは言わない」
…。
「だって…、寂しいって口にしたら、本当に寂しくなる…。一人だから」
「行くぞ」
「え?」
「寂しいって思ったんだろ?」
「…う、ん」
「フ。そのままでいい。バッグは?…これか。靴、履いてくれ」
「…うん」
「あれ?素直だな…」
…。だって…。
「いいか?行くぞ?」
手を繋がれた。ドアを開け、出た。
…鍵を掛けた。
「…何も聞かないんだな」
「え、あ、うん…」
別に、何をどう聞いていいのか…。