好きになるまで待ってなんていられない
背中に集中的に当たるように、熱めのお湯をシャワーで浴びた。
あ、…ボディクリームがあったらいいのにな。
気持ちいいけど熱いのは後で乾燥してしまう…。乳液使えばいいか。
それにしても、入浴剤が入ってて、お湯が濁ってて良かった。
じゃなきゃ、あんなに話してなんていられなかった。
うっかり寝てしまってはと、危険を察知して俯せていて良かった。やっぱり寝てしまったんだ。
こうなると、一人では湯舟には浸からない方がいいって事になる。
まあ、ほどほどに早く出たらいい事なんだけど。
「お〜い、成美〜?」
ん?社長。シャワーを止めた。
「は〜い」
「大丈夫なんだな?遅いから心配になって来てみたんだが」
…あ、呑気に考え事してシャワーしてたから。
サッと上がってるはずだもんね。
「すみませ〜ん、大丈夫です。もう出ま〜す」
はぁ。…全く。今度こそ水没したかと思ったじゃないか。
成美は天の邪鬼だから、また湯舟に浸かったんじゃないかと思った。
「大丈夫なんだな?大丈夫ならいいんだ。もう本当に出るんだな?」
「はい。…もう。拭き始めましたから」
…。
すぐそこに声が移動して来た。
「解った」
はぁ、とんだハプニングだった。
…そそっかしいのか、ちゃんとしてるのか…。仕事の時とは全然違うからな…。
カチャ。
「おっ」
「わっ、びっくりした」
「様子を窺ってた訳では無いぞ。考え事してたら、結果ずっと居ただけだ。あ、覗いてなんかないぞ」
…。
「そんなのは解ります。ドア、ちゃんと閉まってましたから」
「それにしても、でかいな」
あ、…。
もう袖を折って捲くり上げてくれていた。
「こっちも…」
「…有難うございます、すみません」
「冷蔵庫に水あるから」
「はい」
「寝てもいいし、起きててもいいし、好きにしろ。俺は風呂に入って寝るから」
「はい」