極上な御曹司にとろ甘に愛されています
「ハハ……」

額に手を当て嘲る。

こんな状態の俺を萌には見せられない。

これから彼女に会うんだ。

落ち着け。クールになれ。

俺は息を整えながら自分に言い聞かせる。

自分の欲しいものも、守りたいものもわかってる。

萌をじいさんから守らないと……。

彼女は俺が水無瀬製薬の会長の孫と知らない。

いずれ萌にそのことを伝える時が来るだろうが、彼女には高橋恭介という俺自身を見て欲しい。

タクシーが自宅マンションの前に停車すると、俺はタクシーを降り、スーツケースを転がしながら家に帰る。

ガチャッと玄関のドアを開ければ、廊下から萌が走って来て俺に向かって飛び込んで来た。

「お帰りなさい!」

「うわっ!」

萌が抱きついてきたので俺は慌てた。

足を踏ん張って手を差し出し、萌を何とか抱き留める。

「ただいま」
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