極上な御曹司にとろ甘に愛されています
彼女に睨まれたら課長でも地方に飛ばされるなんて噂まであるのだ。

今の社長は温厚な人のようで彼女の言いなりらしい。

「あら相田さん、こんばんは」

気づかないフリをして行ってくれると思ったのに……声をかけられるとは……意外だ。

いつも会社で挨拶しても無視されるのにな。

「……こ、こんばんは」

咄嗟に笑顔を作って水木さんに挨拶する。

早く行って下さい。

挨拶以外に話題も見つからなくて、心の中で祈る。

だが、私の願いは通じなかったらしい。

「あの高橋さんと一緒だなんて羨ましいわ。あなた達が付き合ってるって噂もあったけど、同じ部署にいるからそんな噂が流れてると思って信じてなかったの。でも、本当だったみたいね。せいぜい彼に捨てられるまで楽しみなさい。彼は水無瀬会長の孫で社長の甥よ。あなたと釣り合う相手じゃないわ。それに、来年の四月にはイギリスに赴任するそうよ」
意地悪く告げて水木さんは化粧室を出ていく。

彼女の言葉に愕然とした。
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