ムーンライト・テンプテーション ~つきあかりに誘われて~ 
うがいをする私を、望月さんは、ゴツゴツした手と逞しい腕で、さりげなく、それでいてしっかりと支えてくれている。
そして、うがいを終えた私の目の前に、彼はタオルを突きつけて・・・水で濡れた口の周りと、吐いたせいで出た涙の痕を優しく拭いてくれた。

「大丈夫か」
「はぃ・・」と弱弱しく返事をする私を、望月さんは支えながら、二人、ゆっくりとした歩調で歩きだした。

「食あたりか?」
「あ。いえ」
「じゃあ風邪でも引いたか」
「そ、じゃなくて・・・あのっ、わたし・・・」
「なんだよ」

「・・・私、妊娠しました」

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