ムーンライト・テンプテーション ~つきあかりに誘われて~ 
望月さんがピタッと立ち止まったので、私も誘われるように立ち止まった。
同時に彼は今、私の顔をじーーーっと見つめている。無言で。
切れ長のつり目がちょっとだけ驚きで見開かれたところから、彼の中で、感情みたいな何かが無表情の下で動いてるような気がした。

・・・こんなにじーっとガン見されると、顔に穴が開きそう。
なんか言ってくれないかな・・・あーっ!
そうだ!
私、まだ肝心な部分(ところ)を言ってないじゃないの!

「えっ、と!私、島野さんと別れる前から、少なくとも、丸4ヶ月は没交渉で。望月さんと、初めて・・ああなる前に、2回は生理来たから。だから、赤ちゃんの父親は島野さんじゃなくて・・その・・・望月さん。あなた、です」

・・・元々すごいおしゃべりな人じゃないって分かってるんだけど・・いまだにノーコメントなまま、じーっと見られてもちょっと気まずいっていうか・・・。
やっぱりなんか言ってくれないかなぁ。何でもいいから。

それでも、なんとなく望月さんから目を逸らせない私は、彼を見上げつつ、少しだけ視線を泳がせた。

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