ムーンライト・テンプテーション ~つきあかりに誘われて~ 
「お待たせしました。はい、どうぞ・・・あの。望月さん?」

望月さんは、私が差し出したエコーの写真を手に取ろうとしないで、ただじーっと私を見ている。
これって・・・何。ドタキャン的な拒否ってこと?
そんな小細工するような人じゃないのに。島野さんと違って。
なんか、ショック。こんなことするなら、最初から拒否してくれたらいいのに。

悲しみがドーッと押し寄せてきた私は、思わず顔を俯けた。
でも、「おまえも座れ」という望月さんの低い声で、私はまた顔を上げた。

「・・・え。あ、はぃ・・」
「おい。どこ行くんだよ」
「え?だから、座りに」
「ここに座れ」と言った望月さんは、自分の腿をポンと叩いた。

「・・え?それって・・・えぇ!?」
「他の椅子は遠過ぎだから、おまえは俺に座るんだ」
「で、でも・・・」
「座れ。そして一緒に写真見ようぜ」
「あ・・・はいっ!」

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